南カリフォルニア大学による映画の評価に関する予測システム研究を紹介!

南カリフォルニア大学による映画の評価に関する予測システム研究を紹介!

はじめに
 米・南カリフォルニア大学が、AIツールが映画の将来の評価をかなり正確に予測できる可能性を指摘しました。

目次

概要

 米・南カリフォルニア大学は脚本に基づくことで、実際に撮影されるまえに、映画のコンテンツをある程度評価することができるシステムをつくりました。このシステムは、言語学の研究家や心理学の研究家などが参加した学際的な研究チームによって作られました。このことで、映画関係者が実際に撮影するまえにシーンの評価を知ることができます。潜在的な経済的影響や、映画が与えらる社会的な影響を事前に考えることを可能にします。
 
〇手法
 研究チームは、家族や学校を評価して推奨する非営利団体であるCommon Sense Mediaによって決定された、暴力的、薬物乱用、性的なコンテンツを含む992の映画スクリプトを使用して、対応するリスク行動を認識するようにAiを訓練しました。
 作成されたAIは、すべてのスクリプトを入力として受け取り、ニューラルネットワークを介してそれを処理し、表現されたセマンティクスと感情をスキャンします。その過程で、文やフレーズをポジティブ、ネガティブ、アグレッシブ、その他の記述子として分類します。AIは、単語やフレーズを暴力、薬物乱用、性的コンテンツの3つのカテゴリに自動的に分類します。

〇結果
 研究チームは、危険な行動の描写の間に多くの興味深い関係を発見しました。例えば、薬物乱用に焦点を当てた典型的な映画のコンテンツの量と性的コンテンツの量には相関関係があり、また薬物乱用と性的コンテンツの共同描写で低レベルの暴力を補償していることがわかりました。
 またリスク行動と映画協会(MPA)の格付けの間に興味深い関係があることを研究チームは発見しました。たとえば、性的なコンテンツが増えるにつれ、MPAは暴力/薬物乱用のコンテンツにあまり重点を置かなくなり、暴力的および薬物乱用のコンテンツに関係なく、性的なコンテンツが多い映画はR評価を受ける可能性があります。

Source
University of Southern California. “AI tool may predict movies’ future ratings.” ScienceDaily. ScienceDaily, 17 November 2020. .