Facebookが政策立案者と技術実装者をつなぐプラットフォームOpen Loopを開設!

Facebookが政策立案者と技術実装者をつなぐプラットフォームOpen Loopを開設!

はじめに
 Facebookが政策立案者と技術実装者のための新たなプラットフォームとしてOpen Loopを開設しました。

Facebook AI blog
Introducing Open Loop, a global program bridging tech and policy innovation
https://ai.facebook.com/blog/introducing-open-loop-a-global-program-bridging-tech-and-policy-innovation/

Open Loop 公式サイト
https://openloop.org/

背景

 現在、AIのような新しい技術がどのように世界中のコミュニティに影響を与えているのかを正確に理解し、予測することは困難な状況にあります。そのため、実際にどのような政策を立案することがコミュニティに対して有意義に働くのかが手探りで行われています。そうした状況を少しでも改善するために、FacebookからOpen Loopという政策立案者と技術実装者の知見を共有し、影響などをフェードバックするためのハブサイトの提供を始めました。

Open Loopについて

 
 Open Loopは、「エビデンスに基づく政策提言を作成するために政策立案者とテクノロジー企業を結び付けることを可能にするグローバルな戦略的イニシアチブとコンソーシアム」とされています。このイニシアチブでは、法律や規制に対する新しい様々なアプローチを制定する前にプロトタイプを作成してテストすることで、利害関係者は現実の世界でどれだけ法律などがうまく機能するかを理解することができます。特にLoopの部分が示すように、Open Loopは、政策立案者と実装者の間の実践的な学びをフィードバックしあう頑強なループを作ることがゴールです。

Open Loopのステップ

 Open Loopがプログラムを展開する際には、主に4つのステップを踏みます。
⑴ AI などの新技術に関連する特定のトピックについて、政策プロトタイプを作成します。
⑵ オープンループは、実際の製品やサービスにこれらのフレームワークを適用する際に、参加者から情報を収集することで、実世界の状況下でこれらのプロトタイプをテストし、評価します。これらの政策プロトタイプがどの程度明確で、適用可能で、効果的なのかを質問することで、オープンループの協力者は、その効果、強み、限界を知ることができます。
⑶ 学んだ教訓を応用して、参加者がこれらの規範的なフレームワークを改良していくことができるようにします。
⑷ 最後に、プログラムの成果と収集したフィードバックに基づいて、エビデンスに基づいた政策提言を政策立案者に提供します。
 これをループすることで、よりよいものにしていくことを目指します。

実例

 すでにシンガポールやいくつかのヨーロッパの地域でプロトタイプを利用しており、ある程度の成果を実現しています。ヨーロッパでは、ヨーロッパの10のAI企業と提携して、さまざまなAIアプリケーションでGDPRのデータ保護影響評価(DPIA)に類似したAIリスク評価フレームワークを共同作成してテストしています。

結果のレポート
https://openloop.org/wp-content/uploads/2021/01/AI_Impact_Assessment_A_Policy_Prototyping_Experiment.pdf

 今後、多くの立案者や実装者が参加することでよりループが進むことをフェイスブックチームは希望しています。

まとめ

 AIなど、一部のテクノロジーは現在、大きく社会を変革する可能性を有しています。それゆえに、今後どのような利用が適切かはどこの地域でも議論されていますが、そうした知見はあまり共有されてきませんでした。今後、Open Loopであるべきかどうかは十分に議論の余地がありますが、同様のプラットフォームが展開され、知見が共有されていくことは適切な利用を可能にするために必要であり、こうした動きが活発化することが望まれます。