2020年02月の教育制度に関するAIのニュースを纏めた。
政府、AI教育で認定制度 プログラムの質担保
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO54799960U0A120C2EA3000
(日本経済新聞 2020/01/25)
・政府はAIやデータサイエンスなどに関する優れた教育プログラムを認定する制度を始める。
・教育プログラムの質を担保し、全国の大学・高専などで先端分野を担う人材を幅広く育成する。
・リテラシーレベルと応用基礎レベル二段階に分け、2020年4月からの制度の開始を目指す。
AI「普段使い」へ教育 政府・大学がモデル案
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55213030U0A200C2MM0000/
(日本経済新聞 2020/02/04)
・政府が25年時点で大学・高専の1学年全約50万人の受講を目指すAI教育における初級水準のモデル案が2月4日に固まった。
・日常生活やビジネスでAIを使いこなすための基礎的な能力を身に着けることをめざす。
・教員人材の確保に課題があり、研修会を開くほか、オンライン講座をつくる計画だ。
米大学、人工知能の倫理に関する授業を無料で提供
University Offers Free Class on Artificial Intelligence Ethics
https://www.governing.com/now/University-Offers-Free-Class-on-Artificial-Intelligence-Ethics.html
(GOVERNING 2020/02/12)
・AI技術者たちが技術の進歩に集中してしまい、倫理上の問題を考慮しないまま開発が進むことを問題視する傾向が強まっている。
・これまでもAI倫理の授業は行われていたが、重要性が増す中でシアトル大学でオープンな講座が開かれることになった。
・AI技術者はもちろんのこと一般市民も含めAI倫理についての見識を深めることで、法律などの形で社会実装することも一つの目的としている。
参考
「AIを誰にでも開かれたものに」教育先進国フィンランドが教えてくれたAIのあるべき姿
https://ledge.ai/elements-of-ai-from-finland/
(Ledge.AI 2019/03/25)
〈所感〉
技術発展に伴いAIが様々な分野で社会実装されているなかで、ようやく日本ではAIを活用できる人材を高等教育機関で育成しようとしている。それに対して、米国はAIが普及するなかで生じる人間との摩擦を軽減するために必要なAI倫理を一般市民のものにしようとしている。こうしてみると日本は技術だけでなく社会実装に関してもAI先進国を後追いしている印象が強いといえるのではないだろうか。