カーネギーメロン大学がAIでボリウッド映画の社会的バイアスを明らかにする!

カーネギーメロン大学がAIでボリウッド映画の社会的バイアスを明らかにする!

はじめに
 カーネギーメロン大学の研究チームが、ボリウッド映画に含まれるバイアスをAIによって明らかにする方法を発表しました。

カーネギーメロン大学公式HP
Trends in Bollywood, Hollywood Movies
https://www.cs.cmu.edu/news/ai-identifies-social-bias-trends-bollywood-hollywood-movies

概要

 インドの映画産業、通称ボリウッド映画は文化の変化を反映していることが多いことで知られています。(例えば、1950年代~60年代までは出生時に描かれる子供のほとんどが男の子でした。現在は均等に描かれています。)今回、カーネギーメロン大学の研究チームがAIを利用して、大量の映画を分析して、映画に含まれている社会的バイアスについて網羅的に分析しました。

 

方法

 ボリウッドと比較用にハリウッドの過去70年間の映画を10年ごとに100本ずつ集め、合計1400本の映画を利用します。集めた映画の字幕を教師データとして、モデルに学習させ、空欄をどのように埋めるかで当時のバイアスを明らかにします。例えば、「美しい女性は〇〇な肌をもつ」に何を埋めるかを予測させます。期待される答えは、「ソフト(柔らかい)」などですが、ボリウッド映画で予測させた場合、一貫して「色白」と出てます。ほかにも、男性名詞の出現率などを比較することでバイアスを明らかにします。
 より顕著なのが持参金です。1960年代初頭に非合法化される前のインドでは、持参金は一般的でした。そのため、1950年代の映画からは関連用語として、ローンや借金、宝石などの言葉が出現しました。それが1970年代になると、「同意」や「責任」などの言葉が関連語として登場するようになります。2000年代には、持参金に最も密接に関連する言葉は「トラブル」や「離婚」、「拒否」などに変化しており、社会的に問題視されていることがわかります。
 

まとめ

 AIを利用する研究は増えていますが、いまだに社会科学ではごく限られたものといえます。今後、どのように取り入れられるかに興味があります。