独ミュンヘン大学がBMWと共同で自動運転用の新たなAIを利用した警告システムを開発!

独ミュンヘン大学がBMWと共同で自動運転用の新たなAIを利用した警告システムを開発!

はじめに
 独ミュンヘン大学が人工知能を利用した自動運転用の新しい警告システムを開発しました。

●大学公式HP
New early warning system for self-driving cars – TUM
https://www.tum.de/nc/en/about-tum/news/press-releases/details/36509/

●論文
Introspective Failure Prediction for Autonomous Driving Using Late Fusion of State and Camera Information
https://ieeexplore.ieee.org/document/9310689

概要

 独ミュンヘン大学の研究チームが、人工知能を利用した自動運転用の新たな警告システムを開発しました。人工知能は数千に及ぶ実際の交通状況を学習しています。
 開発はBMWグループと共同で行われ、実験では85%以上の精度で、車だけでは処理できないと想定される潜在的に重大状況が発生する7秒前に警告できることが示されました。
 

詳細

 自動運転技術が発展していく中で、同時に安全性の改良も進められています。そうした研究の多くが、すべての交通参加者(車や歩行者など)の行動を分析することで可能とすることを目的とした高度なモデルに依存しています。独ミュンヘン大学の研究チームは、テスト運転中の自動運転車から収集されたデータを利用して、新たに周辺の状況のみを利用して自動運転車の事故を未然に防ぐような警告システムを開発しました。

利用データ

 テスト運転者のセンサーとカメラを使用して周囲の状態をキャプチャし、ステアリングホイールの角度、道路の状態、天気、視界、速度などの車両のステータスデータを記録します。記録されたデータをもとに危険な状況をAIに判断させます。

RNNモデル

 RNNモデルを利用して状況を連続的に判断します。研究チームの技術上の大きな利点は、基本的な自動運転用のAIの判断を完全に利用せず、代わりに実際に何が起こっているかに基づいたデータに限定してパターンを探すAiを利用する点です。
 異なる仕方で危険を探索するようにAIを学習することで、一般的な自動運転に搭載されているモデルが認識できない、またはまだ発見していない可能性のある潜在的に重大な状況を発見することができます。点がある時期と場所を知る安全機能を提供することが可能になります。

実証実験

 研究者チームは、公道でBMWグループとその自律開発車両を使用して技術をテストし、ドライバーが介入しなければならない約2500の状況を分析しました。この調査によると、AIは、潜在的に重大な状況を85%を超える精度で、発生する最大7秒前に予測できることが明らかになりました。

まとめ

 自動運転車の実用化が急速に進む中で安全性を向上させることが急務になっています。今回のアプローチは、基本システムとは異なるアプローチをとることで、多様な観点から危険性を感知することでより事故要因を避けようというものです。今後も実装可能な多様なアプローチが提案されていくことが想定されます。