【2週間でG検定に合格】 ~芸術系大学生の合格体験記~

【2週間でG検定に合格】 ~芸術系大学生の合格体験記~

株式会社Present Squareでインターン生として勤務をしている山下です。
2024年5月11日に行われたG検定(JDLA主催Deep Learning for Generalist 2024#3)を受験し、合格しました。
受験することを決めてから試験まで2週間という限られた期間の中での受験となりました。こちらの記事では、受験日の2週間前から受験対策を始め、比較的短期間でどのように準備をし、合格したのかをお伝えしたいと思います。

受験以前のAI知識

私は芸術系の大学に在籍しており、以前からアートや音楽に関する範囲のAIについて興味を持っていました。学内でもAIについての基礎的な知識を学べる授業をいくつか受講したことがあり、機械学習の手法についてなどはざっくりと知っていました。とはいえ開発経験などはなく、AIの歴史についてもほとんど知りませんでした。今回は、AIについての知識を体系的に身につける目的で、G検定を受験することになりました。

使用テキストと勉強内容

受験日のちょうど2週間前から公式テキストである、『深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト)公式テキスト 第2版』を読み始めました。

公式テキスト

現在では第三版が出版されていますが、2024年4月末時点で Amazon では購入予約しかできなかったので、第二版を購入しました。
この第三版と第二版で収録されている内容ですが、確認した所、章が一つ増えていました。(第8章)

第1章 人工知能(AI)とは
第2章 人工知能をめぐる動向
第3章 人工知能分野の問題
第4章 機械学習の具体的手法
第5章 ディープラーニングの概要
第6章 ディープラーニングの手法
第7章 ディープラーニングの社会実装に向けて
第8章 AIの法律と倫理 ←新章

このテキストをおよそ1週間で読み終えました。聞いた事はあっても正しく理解していなかった単語や、AIの歴史についてなど、覚えることがとても多かったです。この時点では、時間をかけてきちんと覚えるというより、うろ覚えながらもテキストを一周すること目標に学習を進めました。
特に印象に残ったのは、AIに必要となるインフラ技術と活用事例です。私はアニメーションやビジュアル作品を制作しています。数千、数万の粒子の物理シミュレーションをし、リアルタイムレンダリングすることのできるNVIDIA の技術を利用してきましたが、AI分野でのNVIDIAの貢献については知りませんでした。G検定の勉強を通して、NVIDIA の技術の幅広い活用を知ることができました。

受験日の1週間前から、『最短突破 ディープラーニングG検定(ジェネラリスト)問題集』を解き始めました。
問題集

公式テキストの方は実際の本を購入しましたが、こちらの問題集は電子書籍を購入しました。電子書籍だと試験中に検索ができるため便利だという記事を見つけたためです。実際に復習時も、試験当日も何度か検索しました。

この問題集を試験2日前までに読み終えました。ディープラーニングの手法の範囲が膨大で、残り2日で全てを覚えきることが難しいと判断し、その他の範囲の復習を中心に行いました。

試験当日

試験1時間前から受験環境を整えました。電子書籍用タブレットでの検索方法や、PC上でのネット検索を素早く行えるよう再確認をしました。試験中は問題のおよそ3〜4割程度を検索し、全問題を解き切ってすぐに試験時間が終わりました。見直しの時間は取れませんでした。
AIにまつわる法律についてかなり出題された印象があります。予習しなくとも問題文を読めば正解にたどりつける問題と、事前知識が必要な問題が半々ぐらい出題されていました。AIに関する法律については、公式テキスト第7章でも触れられていましたが、より詳しく広い範囲から問われていたように感じました。
問題が膨大で、分からない問題も多かったので、試験直後は合格したとは思えませんでした。

お勧めの勉強法

公式テキストと問題集をそれぞれ1週間で読み終えましたが、毎日2~3時間ほど、かなり時間をかけて読んだという感覚でした。とにかく覚えることが多く、文章を理解するのに時間がかかるので焦りを感じながら勉強をしていました。一度で全てを覚えることは難しいので、テキストを何周も読み返すことをお勧めします。
一周目は読み込むのに時間がかかりますが、二周目からは倍以上の早さで読めるので、とにかくまず一周することを意識してください。また、テキストを読んでも理解しづらい部分は Youtube の解説動画を観て学習するのも効果的です。
一方、私が受験生にお勧めできないのはネット上のカンニングサイトです。G検定用として複数のカンニングサイト、用語集のようなサイトがあります。使いこなすのに慣れが必要な点と、サイト上で検索しても見つからない用語がある点から、試験中に使うには向いていません。特に準備期間が短い場合、どのサイトが使い勝手がいいかを比較する余裕はないので、普通に検索をすることをお勧めします。

G検定で出題される範囲の中で、数理・統計の項目は公式テキストや問題集にあまり記載されていません。受験生の方は専門的な教本を読む時間が無く、勉強不足で不安になるかもしれません。(私もそうでした)
時間的余裕がない場合、テキストに出されている範囲を理解することを目標に学習すれば十分に合格できるかと思います。

終わりに

G検定の試験勉強ではAIについて色々なことを理解し、覚える必要があります。ですが、準備期間が短くとも、AIについての知識が乏しくとも、集中して繰り返し学習すれば合格できます。
合格後は、G検定とE資格の合格者を対象としたAIコミュニティ『CDLE (Community of Deep Learning Evangelists) 』に参加することができ、モチベーションを保ちながらAIについての学びを深めていくことができます。
皆様も是非G検定を受験してみてはいかがでしょうか。