翻訳に関するAIのニュースについて纏めた。
弘前大、津軽弁をAIで共通語に翻訳
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54940000Y0A120C2L01000/
(日本経済新聞 2020/01/28)
・弘前大学がAIを使用して、津軽弁を共通語に翻訳するシステムの開発に取り組んでいる。
・通話記録を津軽弁話者に話してもらったり、医療関連の津軽弁会話から音声データを集め、学習させてきた。
・精度をあげるために、19年10月からは津軽弁の文例の募集をインターネット上で行っている。
「人間が書いた文章か? 機械翻訳か?」 AIが判別
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200130/k10012265831000.html
(NHK NEWS WEB 2020/01/30)
・KDDI総合研究所は、文章が機械翻訳されたものかどうかを判断できるAIについて発表した。
・1万の英文章を機械翻訳で日本語など4か国語に翻訳し、再び機械翻訳で英語に戻すなどして生じる変化を学習させた。
・判別は最高で89.5%の精度、文章の翻訳前言語の判定は最高で98.1%の精度であったと報告した。
AI翻訳技術によって、もうすぐでペットと話せる日がくるかもしれない
WITH AI TRANSLATION TECHNOLOGY, YOU MAY SOON BE ABLE TO TALK TO YOUR PETS
https://analyticsindiamag.com/with-ai-translation-tech-you-may-soon-be-able-to-talk-to-your-pets/
(analyticsindiamag 2020/02/11)
・翻訳を支える自然言語処理技術は、一部の研究者はその範囲を人間から動物へと拡大できると考えている。
・例えば、約90万時間分のゾウの発声データと状態を照合、ディープラーニングを使って音声データの特徴を分析し、危険を示す音を特定した。
・他にも手作業でラベル付けしたヒツジの480枚の写真のサンプルを使って、ヒツジの痛み表情尺度を機械学習させた結果、平均精度は67%(ヒトに対するものと同程度)を示した。
〈所感〉
自然言語間の翻訳はここ数年で著しく向上している。方言を共通語に翻訳しようという試みは言語翻訳の間でもより狭い分野を対象とできるようになってきていることを意味している。ただしAI翻訳の向上は海外からの不正アクセスに付随されるような文章の質をあげることになり、機械翻訳されたものであることを明らかにするAIには一定の価値があるといえるだろう。そうしたAI翻訳は人間を超え、動物を対象にし始めているようだが、一定程度の複雑さにおさまるコミュニケーションはそう遠くない未来に可能になるのではないだろうか。