コンプライアンス×AIニュース(2020年3月版)

コンプライアンス×AIニュース(2020年3月版)

コンプライアンスに関するAIについてのニュースをピックアップして要点をまとめました。

<法トーク>メールから不正暴くAI FRONTEO副社長 池上成朝氏

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO55922080R20C20A2TCJ000/
(日本経済新聞 2020/02/24)
・AIによって社員のメールを分析し、不正リスクを検知するサービスが提供されている。
・1つのメールからハラスメントやコンプライアンス問題、独占禁止法違反などのリスクに対応したい思惑が企業側にある。
・AIによるメール分析が積極的に行われている米国などからは個人情報保護の観点から需要が生じている。

研究開発費の分配にAI活用 横領や不正を暴くアルゴリズムが参考に

https://forbesjapan.com/articles/detail/32431
(Forbesjapan 2020/02/21)
・韓国では公平な評価・分配のためにAIを利用しようとする動きがある。
・韓国研究財団(NRF)が「ビッグデータ分析を利用した研究費の誤乱用の予防」について発表した。
・民間企業の横領や会計不正、補助金詐取などのパターン分析するアルゴリズムの活用例を参考にし、同様に研究費の統合管理システムに蓄積されたデータをAIに学習させ、誤乱用を事前に防ごうというもの。

アイネス、FRONTEOの自然言語処理AI「KIBIT」を活用した業務品質向上ソリューションを提供

https://cloud.watch.impress.co.jp/docs/news/1237247.html
(クラウド watch 2020/02/26)
・近年金融商品の多様化に伴い、金融機関ではコンプライアンス部門の業務負担が増加している。
・AIを利用することで、それまですべて目視確認していたのに対し、不適切な疑いがあるものを全体のおよそ40%まで絞り込む。
・作業時間を大幅に縮小することに加え、担当者の熟練度によるばらつきを抑え、均質化を実現するとしている。


〈所感〉
ESG投資などが主流となっていくなかで、不祥事が企業に与えるダメージは年々増すばかりである。そのため企業側は対策を講じる必要も増加していることで、本業にリソースが割けない事態が生じている。AIなどの導入は時として不祥事の温床となりやすい人為を排しより効果的に不祥事を減らすだけでなく、そこから生じるリソースを分配しなおすことで本業にもいい影響を与えることができるようだ。今後、AIなどによる不正防止サービスは需要が増していくように感じた。