研究チームが初めて個々の鳥を識別するAIを構築、ほか【AI最新ニュース】

研究チームが初めて個々の鳥を識別するAIを構築、ほか【AI最新ニュース】

AI関連発明の出願状況を調査

(経済産業省 2020/07/27)
https://www.meti.go.jp/press/2020/07/20200727003/20200727003.html
・特許庁が2020年4月までに新たに公開された出願データをもとにAI関連発明の出願状況を調査し、結果をまとめた。
・第三次AIブームの影響で2014年以降急増していることを強調したうえで、主要な特許技術は機械学習に関するもので、特に深層学習に言及するものが急増しており、2018年のAI関連発明の出願のうち半数以上が深層学習によるものだったことを報告している。
・また分野に関しては、画像処理や情報検索・推薦、ビジネス関連、医学診断分野が目立っており、近年では特に制御・ロボティクス、医学診断分野への適用が増加していることを指摘している。

研究チームが初めて個々の鳥を識別するAIを構築

Researchers build first AI tool capable of identifying individual birds
https://phys.org/news/2020-07-ai-tool-capable-individual-birds.html
・英国生態学会のジャーナルMethods in Ecology and Evolutionに掲載された研究は、CNNモデルに対して何千枚ものラベル付き画像で学習し、シジュウカラとフィッチ(研究によく使われる鳥類)の個体を識別するテストを行った結果、野生種で90%以上、飼育されているもので87%以上の精度で識別できたと報告した。
・ラベル付き画像が少ないことがボトルネックだったが、鳥にタグを埋め込み、餌箱にきた鳥を自動で撮影することで大量のラベル付き画像データを獲得することに成功し、AIの実装に至ることができたとしている。
・ただし、AIは事前に撮影された個体のみしか識別できず、新たな鳥が加わった場合再度学習する必要があり、また鳥の外観が毛の生え代わりなどで変化すると識別できないなどの問題が想定されているものの、今後長期間にわたる画像があれば克服できると想定している。

欧州における文化遺産のためのAI活用

Leveraging the Power of AI for European Cultural Heritage
https://www.hpcwire.com/off-the-wire/leveraging-the-power-of-ai-for-european-cultural-heritage/
・スペイン、バルセロナのスーパーコンピューティングセンター及びヨーロッパ財団の研究者で構成される「Saint George on a Bike」と呼ばれるEUが新たに出資する文化遺産にAIを活用するプロジェクトがはじまった。
・数十万を超える画像に対して、文化、シンボル、歴史的文脈に関するメタデータを自動的に生成することを目的として、自然言語処理と画像処理のトレーニングを開始した。
・社会運動や歴史的出来事と、文化的遺物がどのように作成されたかのマッピングをすることや、新たにヨーロッパの文化遺産を検索するときに豊かな検索ができるようになることを目指しており、2019年9月1日から2020年8月31日まで約150万ユーロの予算で行われる。