FPGA+AIで切り開く漁業向けソリューション~船上の尾数計測を自動化~

FPGA+AIで切り開く漁業向けソリューション~船上の尾数計測を自動化~

FPGA+AIで切り開く漁業向けソリューション~3社の共同開発で、Ultra96を利用して船上の尾数計測を自動化~

5月18日、マルハニチロは、子会社の桜島養魚において、ブリ・カンパチの尾数自動計測を行う「AIトラッキング魚体計数機」システムを、今年4月から運用開始したことを発表した(https://news.mynavi.jp/kikaku/20200803-1169270/

尾数自動計測を行う「AIトラッキング魚体計数機」システムで、沖合船上で養殖魚の尾数計測を自動化したいという動機から生まれた。
そのねらいは主に以下の 4 つある。
 1.従業員の人為的ミスの軽減:尾数の数え間違いを減らす事で商品力向上
 2.従業員の体力的負担の軽減:跳ね回る魚の数を数えるのは体力的にも大変な作業で、これを軽減する事での安全性向上
 3.労務費等の経費削減:計測にかかる人員そのものを減らす事で、結果的に利益を向上
 4.労働人口の減少対策:今後、少人数での養殖事業の運営を可能にする可能性の追求

なぜ FPGAなのか。

養殖場の船上という環境下では防水、塩害対策などが考慮された、できるだけコンパクトなスペースにバッテリーと共にシステムを収める必要があった。そのような環境下で高速かつ高性能なAIを動作させるためには、GPUやその他のアクセラレーターでは消費電力や発熱及び信頼性に欠けているため、FPGAが最も適しているという理由で FPGA が採用された。

今後の予定

現時点ではブリ・カンパチの成魚についての効果を検証済だが、今後はブリ・カンパチの稚魚、あるいはそれ以外の魚種についても運用を拡大していく予定。

感想

十分な環境が用意できない環境だからこそ、ハードウェアとして扱いやすいという理由で FPGA が選択されており、今後様々な分野でとりいれられていきそうだ。