視界と動きをつなぐ- 自動運転AIが「見る」ことを助ける脳のつながりの発見、ほか【AI最新ニュース】

視界と動きをつなぐ- 自動運転AIが「見る」ことを助ける脳のつながりの発見、ほか【AI最新ニュース】

成績評価にAIを用いるとどうなるのか?

What Happens When AI is Used to Set Grades?
https://hbr.org/2020/08/what-happens-when-ai-is-used-to-set-grades
(Harvard Business Review 2020/08/13)
・コロナウィルスの影響で従来型の試験の多くがキャンセルされ、世界各国で新たな成績を評価する方法を検討することが余儀なくされたなか、AIを用いるという方法が多くの団体で検討された。
・国際バカロレア機構(IBO)は、AIを使用して、学生の過去の働きやその他の履歴データに基づいて従来試験で測られていた高校卒業生の総合スコアを設定することを選択したがうまくいかず、世界中から多くの不満と訴訟が起きることになった。
・IBOはかなりの量のデータを長期間分保有しており、45段階の評定について授業における働きと最終成績の相関は95%以上であったが、発表された結果には不可解な点も少なく、今後AIを利用する際に、利用モデルの透明性と説明可能性が担保された上で、きちんと不満や訴えを吸収できるような体制が必要であることが明白になった。

手のジェスチャーを高精度に認識するAIシステム

AI system for high precision recognition of hand gestures
https://www.sciencedaily.com/releases/2020/08/200813103114.htm
(ScienceDaily 2020/08/13)
・シンガポールにある Nanyang Technological University(NTU Singapore)の研究チームが、疑似皮膚的電子機器とコンピュータビジョンを組み合わせることで、手のジェスチャーを認識するAIを開発した。
・体性感覚情報を取得するために、伸縮可能なひずみセンサーを活用し、視覚情報と体性感覚情報が相互に作用し、補完できるという事実に注目することで、劣悪な環境条件でも高い認識精度を実現することに成功した。
・視覚情報処理用の「CNN」、体性感覚情報処理用の「MultiNN」、そして視覚情報と体性感覚情報を「融合」するための「SpaceNN」の3つのNN(ニューラルネットワーク)アプローチを1つのシステムに組み合わせて、バイオインスパイアードAIシステムを開発した。

視界と動きをつなぐ- 自動運転AIが「見る」ことを助ける発見

Researchers key in on finding that can help self-driving cars ‘see’
https://www.sciencedaily.com/releases/2020/08/200814123211.htm
(ScienceDaily 2020/08/14)
・運動と視覚の関係はいまだに不透明な部分が多く、ハーバード大学の研究者チームが、動物が自由に歩き回っているときに視覚情報(画像)に対して脳の主要領域で何が起こっているのかをAIを用いて調べた。
・結果として、これまで視覚領域は外部からの情報を脳に伝達するだけのフィードフォーワードシステムとみなされがちであったが、脳の運動制御領域からも信号を受けとるフィードバックシステムも備えていることがわかった。
・まだ多くの点で不透明な点が残るものの知覚と行動の相関関係が明らかになったことで、自動運転を制御するニューラルネットワークにも同様の関係性を持たせたモデルが適用される可能性があることが指摘されている。