FAIRがモバイルデバイス用の物体検出ライブラリーD2GOを発表!

FAIRがモバイルデバイス用の物体検出ライブラリーD2GOを発表!

はじめに
 FAIRが新たにモバイルデバイス用の物体検出用モジュールD2GOを公開しました。

概要

 FAIRは、2019年にカスタムモジュールを任意の物体検出システムに接続することを簡単にするDetectron2を公開しました。今回、新たにDetectron2を拡張させたDetectron2GO(D2GO)を発表しました。D2GOはリソースの限られたモバイルデバイス用に作られたもので、効率的な深層学習物体検出モデルをトレーニングおよび展開するための最先端の拡張機能を備えています。また、D2GOはDetectron2、Pytorch Mobile、TorchVisionをベースに開発された初めてのツールであり、開発者にトレーニングからモバイルへのデプロイまで、機械学習モデルを利用できることを可能にしています。
 

Detectron2GO詳細

開発の背景

 物体検出は、遅延(レイテンシー)と精度という2つの要素が重要なカギとなります。サーバーベースまたはクラウドベースのモデルを使用するデバイスでは、デバイスがデータを収集し、クラウドに送信してから処理し、それをまたデバイスが受け取るため、一連の通信で大きな時間がかかってしまいます。この作業をデバイス内部で行うことで、遅延を大幅に減らすことができます。また、セキュリティやプライバシー上の観点からもデバイス内部で行うことにはメリットがあります。そこで、モバイルデバイス上で利用するためのDetectron2Goが開発されました。

特徴

PyTorchベース
 もともとDetectron2は、PyTorchベースに作られています。そのため、Detectron2Goも同じようにPytorchベースで作れています。新しいD2Go拡張機能を使用すると、開発者はDetectron2の開発をさらに一歩進めて、モバイルデバイス用にすでに最適化されているFBNetモデル(検出およびセグメンテーションタスクを効率的に実行できるアーキテクチャ)を作成できます。FAIR独自のテストでは、D2Goで開発されたモバイルベースのモデルは、サーバーベースのモデルと同等の遅延と同等の精度を示しました。

量子化モデル
 また、モデルは量子化されており効率的に計算することができます。つまり、より大規模なサーバーベースのモデルと同じタスクをより効率的かつ同等の精度で実行できます。

オープンソースソフトウェアとの運用性
 D2Goは、オープンソースソフトウェアとの相互運用性を念頭に置いて構築されています。そのため、ほかのソフトウェアと組み合わせるために利用しやすくなっています。

まとめ

 簡単に利用することができるようにGitHub上でも丁寧に説明されており、使いやすいものとなっています。興味がある方は、GitHubにアクセスし、実際に利用してみることをお勧めします。