プログラミングに求められるのは、言語でも数学でもなく総合的な能力であることをMITが報告!

プログラミングに求められるのは、言語でも数学でもなく総合的な能力であることをMITが報告!

はじめに
 MITがコードを読むことと、(自然)言語を読むことはべつの脳機能を利用していることを発見しました。

MIT公式記事(2020/12/15)
To the brain, reading computer code is not the same as reading language
https://news.mit.edu/2020/brain-reading-computer-code-1215
論文
Comprehension of computer code relies primarily on domain-general executive brain regions
https://elifesciences.org/articles/58906

概要

 プログラミングを学ぶことは、新たな記号や単語を学ぶ必要があるなど、新たな言語を学ぶことに似ています。しかし、実際に脳の働きを確認したところ、この二つの活動は脳の異なる領域で行われていることがわかりました。

現状・問題点

 プログラミングは現在の社会では広く普及し、日本でも義務教育で必修化されるなどこれから生きていく上では必要不可欠のスキルともいえます。その一方で、プログラミングという行為自体がどのような行為なのかについて詳しい研究はなされてきませんでした。そのため、効果的な学習法とはなにか、といったことが学術的に整理されているわけではありません。
 

論文の内容

 今回、神経学者がプログラミング時の脳の動きを測定しました。結果、最初に期待されていたのとは異なり、言語処理分野とは異なる分野が活動していることがわかりました。一般に多分野ネットワークとよばれる数学やクロスワードパズルなどを複雑な認知タスクを解くときと同様の動きがみられました。しかし、プログラミングではより広範な活動が脳内で行われていることが観察されました。活動が脳の前頭葉と頭頂葉全体に広がっており、通常、一度に多くの情報を念頭に置く必要があるタスクにおいてみられる動きであるとされます。右脳や左脳に偏らず、両方が使われる点に特徴がありました。
 このことから、言語処理や数学などとはプログラミングは異なる活動であると、研究チームは指摘しています。

まとめ

 プログラミングを学ぶ際に重視されることが言語に強いことや、数学に強いということではないことが論文によって明らかにされました。多分野に強い必要があり、総合的な能力がプログラミングで問われることになりそうです。