【実例紹介】AI技術を活用した異常検知

【実例紹介】AI技術を活用した異常検知

はじめに
 AIを用いて画像内の錆部分を検出する異常検知タスクを行いました。取り組みを通して気付いた困難な部分や解決方法についてご紹介します。

異常検知

 今回行った錆の検出など、正常な状態から逸脱しているものを発見するタスクは一般的に異常検知とよばれます。「センサーなどで計測した値が一定数値以上のものを異常とする」などの異常検知が以前から行われてきました。近年では異常検知に画像認識技術を活用したAIが利用されるようになっています。

 今回行った異常検知タスクは、錆部分の検出です。建物の錆は耐久力に直結するため、検査時の項目のひとつとなっています。今後、ドローン等で巨大な建築物を効率的に撮影できるようになっても、検査が人力のままだと、検査部分がボトルネックになってしまい、全体の作業効率を向上させることが困難になると想定されます。錆の程度と範囲を画像から自動で検出することで、目視による点検の負担を軽減し、大幅な作業効率の向上が期待できます。

 異常検知にはただ正常と異常を判定するものから、細かく異常領域や異常程度を指摘するものまで幅広く存在します。今回は、錆の程度と範囲をセグメンテーションによって検出するもので、異常検知タスクの中では比較的難易度が高いものといえます。(ただし、総合的なタスク難易度は、データセットの構築難易度やリソースの問題などを含めて決まります。)

課題と解決策

 画像内の錆を判定する上では、色、質感、周辺部との連続性など、様々な要因を総合的に判断することが必要になります。したがって、複数の要因から判定することができるディープニューラルネットワークを利用するべきタスクと言えます。錆の程度と範囲を画像からディープニューラルネットワークで検出する上で、課題となったことについてご紹介します。

課題1 色彩の多様性

 一口に錆と言っても、赤い金属の場合は黒錆、灰色の金属には赤錆など、多種多様な錆が発生します。また金属の地の色や光の当たり方で画像内でのさびの写り方は変化してきます。画像情報を特徴量に変化して検出する一般的なモデルでは限界がありました。

解決策 「画像内の文脈情報を利用する」

 最新のモデルでは、画像内から取得した情報を複合的に用いて物体検出(セグメンテーション)を行うモデルが開発されています。(例えば、海辺の画像の場合、その画像内にある板は「サーフボード」の可能性が高いと判断できます。)このモデルを使えば、画像の全体像や物体間の関係性を認識した上で錆か否かを判断することができます。具体的には、同じ黒色部でも、錆が生じないアスファルトのような素材上にある部位は錆ではないと判断する一方で、金属部分と判定される素材上の部位は錆と判断することが可能になります。

デメリット モデル構造が複雑で仕様変化に対応する際に工数がかかってしまう。

課題2 程度変化の連続性

 錆は時間の経過とともに徐々に進行していくものです。しかし、人間が判断するうえで錆の程度に連続値を与えることは難しく、利用上では四段階に分類されています。そのため、教師データも4段階で作成されることになりましたが、クラス間の差が激しく程度を正しく判定することが難しいという問題が生じました。

デメリット モデルの学習構造を変化させるため、モデルの構造が複雑だと対応に工数がかかってしまう

まとめ・応用活用例

 学習データを変えれば、異常部位(汚れや傷)にも応用可能な技術です。
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