科学研究技術×AI(2020年2月版)

科学研究技術×AI(2020年2月版)

科学研究技術が関連するAIについてのニュースを纏めた。

京大など、宇宙の形成をAI分析 計算コスト1億分の1に

https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00547759
(日刊工業新聞 2020/02/18)
・京大などの共同研究チームは、大規模な宇宙の構造形成シミュレーションによるデータベースを高速で分析するAIフレームワーク「ダークエミュレータ」を開発した。
・計算コストが従来の約1億分の1となり、観測データから理論を予測する操作が飛躍的に高速化する。
・従来、実際の銀河がもつ多様性に対応した信頼性の高いツールがなく、今回の開発で宇宙のビッグデータ分析が可能となる。

ニューラルネットワークが11の小惑星が地球に衝突する可能性を提示
これらの小惑星はすべての都市を破壊できる―NASAが検知しなかったのはなぜか

Neural Network Says These 11 Asteroids Could Smash Into Earth
These nasty space rocks could level entire cities — how come NASA hadn’t flagged them?
https://futurism.com/neural-network-11-asteroids-smash-earth
(futurism 2020/02/17)
・オランダのライデン大学は小惑星が衝突するかどうかを判断する“Hazardous Object Identifier”と呼ばれるニューラルネットワークを開発した。
・1万年分の太陽系の惑星の軌道をシミュレートした上で、実際に衝突したものを正解データとして学習させた。
・NASAが公表しているデータと照合したところ、精度は90.99%だった。

ぼやけた画像 AIで高速修正 阪大、学習データも少なく

(日経産業新聞 2020/02/12)
・大阪大学の原聡助教らがAIを用いて、学習データ量が少ない場合でも解像度の低いぼやけた画像を鮮明にする技術を開発した。
・正解データがなくても学習できるように、AIが出力した画像の鮮明さを評価する機能を組み込み、評価をもとに計算モデルを改良できるようにした。
・12種類の顕微鏡の画像を撮影条件を変えて18枚ずつ用意し、1日~2日学習させたAIは、約1秒ほどで従来と同程度の解像度の画像を出力できた。


<所感>
科学の発展には技術力の向上が不可欠であるが、AIの進歩は科学をまたべつの段階に押し上げるところまできてると感じた。今回はとり上げなかったが、医学分野においてはAIの導入は顕著であり、自然科学分野ではAIの効果は如実に表れている。今後はいわゆる文系とされる社会科学分野においてもAIによる処理が不可欠な時代がくるのではないだろうか。